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愛と結婚。 [独り言]

結婚って、なんのためにするの?
実は僕はそれがよくわからなかったりする。
好きだから一緒にいたい。
それなら、別に結婚って形をとらなくても術はある。
ただ一緒にいたいだけなら、同棲でもいいじゃん。
なにか気にするとしたら、それは世間体とか、そういうもんでしょ。
本人達の、っていうよりも、両親の、世間体。

まぁ、子供ができたって言うなら、話は別になるよね。
好きだから一緒にいたい。
好きだから子供が欲しい。
そのためには結婚するしかない。
だって認知されない子供は可哀想だ。

僕にとっての結婚って、そんなイメージ。
それもひどく、漠然としたイメージ。

とりあえず、愛=結婚って方式は僕としては成り立たないし。
結婚ってものに憧れやなんかは全くと言っていいほど、ない。

それは自分の両親を見ているからなのかも、しれない。
僕の母は、父のことが好きで結婚した。
それは間違いない真実で、今とて疑う余地もない。
じゃぁ、父はなぜ母と結婚したのか。
僕は未だにその理由がわからないでいる。
わかっているのは、それが決して愛なんてものではない、ということ。
そして、純粋に子供が欲しかったわけでもない、ということ。

あの人は、結婚なんてするべきじゃなかったんだ、きっと。
一人で自由気ままに生きていればよかった。
そうすれば、母や僕や弟が意味もなく振り回されることもなかっただろうし。
少なくとも、母と僕が精神薬のお世話になることもなかった。
(余談だが、父は心療内科の医師からも治療は無理だと言われた)

まぁ、そもそも二人が結婚してなかったら。
僕も弟も、この世界にいないわけだけれど。

幼い頃、僕は羨ましかった。
休み明けの学校で、父親と何処かに行ったとか、キャッチボールをしたとか。
それがいかにも当たり前のように話す友人たち。
そんな話題は、僕の気を滅入らせた。
たまに連れて行ってもらった遊園地や公園。
ひどく面倒くさそうな父の顔が脳裏をよぎる。
そんな父の表情に、僕はひどく罪悪感を憶えた。
仕事で疲れている父に、我が儘を言ってしまった。
そんな罪悪感は、常に僕を責め続けた。
その時の表情の本当の意味を知るのは、もっと後になってからだったけれど。

たまにふと思う。
父親を早くに無くしている人(死別でも離婚でも)と。
父親はいるけど、決してそこから愛情は得られない人と。
どっちが幸せなんだろう、とか。
そんなことを考えることも不毛だ、と。
僕は自分の想像を即座にかきけす。
だって、考えたって意味もないことだ。
答えは決して一つじゃない。
同じ状況でも、誰一人、同じ環境で生きている人間なんていないのだ。

父には感謝してる。
今のように僕が働かずに家にいられるのは、父が働いた貯蓄があるからだ。
父がいなかったら、愛情を持てない人間がいることも知らずにいた。

でも、母にも子供にも愛情を注げない父を、どうすれば愛することができる。
やっぱり、あの人は結婚なんてするべきじゃなかった。
結婚しない方がしあわせに過ごせる人間も、いるのだ。
この広い世界の中には。
たとえば、それが極少数の稀なケースだとしても。

それを初めて理解した時、僕は母に対してひどく罪悪感を感じた。
きっと母は、僕や弟がいるから、父との生活を続けているのだ、と。
だから、僕は早く大人になって、母を解放してあげなきゃならない、と。

今は、それだけが理由じゃないことも理解している。
とどのつまり、母は純粋に父に愛情を持っているのだ。
それがなぜなのか、そんなことを問うのは無意味だ。
愛情ってのは、そういうものだと思うから。

だけど。
結婚って、なんのためにするの?
愛って、どういうものなの?
僕には、まだそれがよくわからない。
それでも誰かを愛したい、と心が叫ぶ。
あの人を愛してる、と胸が痛む。

そんな矛盾が、僕を侵していく。


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サユリ。

ウチの両親は恋愛結婚で御互い愛し合ってるみたいだ。
まあ、60も近くなればセックスレスにもなるけど、あたしは人並みに愛情を注がれて育ってきたと思う。
一枚の写真がある。
2歳位のあたしを、四つんばいに成って背中に乗せてる父。
二人とも満面の笑み。と云うか爆笑顔。
たとえ愛情を注がれて育っても、それを受け入れなければ其の愛情は無いものになるでしょう?
あたしの好きな作家さんが、
「ねこを『可愛い。』というのは、そのねこが可愛いんじゃなくて『可愛い』って思うあなたの心が可愛いんだ。」
ってゆってて、
「何でも心がけ次第だな。」
って思った。
by サユリ。 (2006-06-04 19:26) 

椎名瑚珀

>サユリ嬢へ。
たぶんね、僕の恋愛観とか結婚観って、すごく歪んでると思う。
愛情、ね・・・。
注がれてたらよかったのにね(笑)
うん、でもその作家さんの言葉には賛成。
僕自身は、自分の心がけでなんとでもなるけれど。
父親と言えど、自分ではナイっていう観点では他人やからさ。
人の心を変えるってのは、簡単なことじゃないんですよね。うん。
by 椎名瑚珀 (2006-06-06 00:38) 

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